この章の基本方針と使用曲について

この項ではサウンドクリエイター視点でのミックスについての基本方針、及びこの章で使用する楽曲についてご紹介します。


まずは「パキっとハッキリしてて音圧のあるミックス」を目指す

本稿ではサウンドクリエイターとして手っ取り早くミックスのスキルを身に着けるために「明瞭にはっきり大きく聴こえるミックスを目指す」ことを基本方針と致します。
世の中には繊細なミックスの資料が沢山ありますが、以下の理由でこの方針が近道だと考えるためです。

・そもそもエフェクターとは音をはっきり大きく聴かせるためのものである。
エンジニアさんに怒られそうですし誤解を招きそうですが、コンプレッサーやイコライザーなどは例えば戦時中に爆撃音が鳴っている中いかに明瞭に通信を行うか、明瞭度の低いアナログの録音機器においていかに音を明瞭に発するか、などから生まれたものですから、本来の使い方から学ぶ方が自然です。

・人間は安定しているものを心地よく感じる傾向がある
もちろん音楽において抑揚や揺らぎなど繊細な部分は表現として非常に大切ですが、高い音圧で安定しているものを作られるようになる方が最初は手っ取り早く良い音に聴こえるものが作られます。
また、抑揚や繊細なミックスを作るにしても極端に明瞭度や音圧重視なミックスを覚えてからの方が段階として適切です。

・音圧ミックスの方がやる気が出る
上記のとおり音圧がある明瞭なミックスは分かりやすく心地よく、カッコよく感じますので、ミックスの習得という反復と根気が必要なことも心折れずに頑張れます(わかりやすく成果が出ますから、このことはとても大切です)。


使用曲とクレジットについて

本章ではミックスの説明をするために以下の楽曲を使用致します。
また本章に限ってはミックスの説明になりますので音源は16bit44.1Khzの非圧縮WAVデータにてアップ致します。
そのためデータ量が大きくなりますので、特にモバイルの方はご注意下さいませ(なるべくWi-Fi環境にてお願い致します)

2018年収録「夕焼けこやけ」

この楽曲は弊社の企業サンプル楽曲として収録させて頂いたものを、ご厚意で本稿に使用させて頂いています。
素晴らしい一流ミュージシャンの皆様に御礼申し上げますとともに、以下にクレジットを記載させて頂きます。

(敬称略)
作詞 / 高橋 尽(HERO)
作曲 / 菊地 梓
ボーカル / Tama(Sabão、Hysteric Blue)
ギター / 尾嵜 啓一
ベース / 中村 泰造
ドラム / デスヲ(TAKE NO BREAK)

藤原章人(ZeeF)
株式会社アットチュード 代表取締役/マニピュレーター/サウンドクリエイター/ BGM、効果音、音声組み込み、音声ROM管理、ミキシング、音声ディレクション担当。 北海道美深町生まれ、兵庫県西宮市出身。 報徳学園高等学校卒業後、バンド活動を経て2000年からサウンドクリエイターとして活動開始。 パナソニックシステムソリューションズ社のゲームコンテンツ(ゴルフやり隊、馬リオンなど2003年以降の全タイトル)のBGM、SE、サウンドプログラム制作を行いながら、 関西の複数のメーカーのコンシューマーゲーム、遊技機のサウンド制作に携わる。 関東に拠点を移してからはロックバンドのメンバーとしてマニピュレーターを担当し、多くの大規模会場にて公演を行いつつ、クリエイターとして複数の会社と数多くのアミューズメントやゲームサウンド制作、コナミ人材養成所での非常勤講師などを行う。 一般社団法人 日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ正会員。